Blog労務ブログ
能力不足の従業員への対応方法は?
指導・配置転換・解雇まで社労士が解説!

はじめに
会社経営において、「能力不足の従業員への対応」は避けて通れない課題の一つです。
業務の遅れやミスが続くと、職場全体の士気低下にもつながりかねません。
一方で、対応を誤ると「不当解雇」「パワハラ」といった労務トラブルに発展するリスクもあります。
本記事では、足立区の社労士 大越事務所の大越が能力不足の従業員に対して会社が取るべき
適切な対応手順について、 社労士の視点から実務的に解説します。
能力不足とは?
能力不足とは、単に「仕事ができない」という主観的評価では足りません。
実務上は、以下のような点が重要になります。
- ・業務内容や目標が明確に示されているか
- ・他の従業員と比較して、客観的に成果が劣っているか
- ・一時的ではなく、継続的な問題であるか
これらを整理せずに対応を進めると、後に会社側の判断が否定される可能性があります。
能力不足の従業員への一般的な対応例
能力不足の従業員に対する会社の対応としては、次のような4つのSTEPを経て解決を図ることが一般的です。
【STEP 1】教育・指導
能力不足が疑われる場合、最初に行うべき対応は教育・指導です。
いきなり配置転換や解雇を検討するのは、実務上もリスクが高い対応といえます。
指導の際は、以下の点を意識しましょう。
・何が問題なのかを具体的に伝える
・期待される水準や改善目標を明確にする
・期限を区切り、改善状況を確認する。
また、面談記録や指導書面を残すことが非常に重要です。
これは労使紛争が起きた際に、「改善の機会を十分に与えた事実」を客観的に示す証拠となります。
【STEP 2】配置転換
指導を一定期間行っても改善が見られない場合、配置転換を検討します。
能力不足は、本人の資質ではなく「業務とのミスマッチ」が原因であることもあるためです。
配置転換を行う際の実務上のポイントは以下のとおりです。
・就業規則に配置転換の規定があるか
・本人の生活への影響が過度でないか
・懲罰的な異動と受け取られないか
合理性を欠く配置転換は、無効と判断される可能性があるため注意が必要です。
【STEP 2】配置転換
指導を一定期間行っても改善が見られない場合、配置転換を検討します。
能力不足は、本人の資質ではなく「業務とのミスマッチ」が原因であることもあるためです。
配置転換を行う際の実務上のポイントは以下のとおりです。
・就業規則に配置転換の規定があるか
・本人の生活への影響が過度でないか
・懲罰的な異動と受け取られないか
合理性を欠く配置転換は、無効と判断される可能性があるため注意が必要です。
【STEP 3】退職勧奨
従業員の解雇は、会社にとって法的なリスクが高いため、
自主的に退職するよう勧奨(退職勧奨)を実施することを検討します。
退職勧奨により、従業員が自らの意志で退職する場合には問題ありませんが、
やり方を間違えると違法となり得る可能性がありますので、注意が必要です。
詳細は、こちらをご覧ください。
【STEP 4】能力不足を理由とする解雇の考え方
能力不足を理由とした解雇は、非常にハードルが高い対応です。
労働契約法では、解雇には「客観的に合理的な理由」と「社会通念上の相当性」が必要とされています。
実務上、解雇が有効と認められるためには、以下のような要素が重視されます。
・十分な指導・教育を行ったか
・配置転換などの回避努力を尽くしたか
・改善の可能性が乏しいと判断できるか
これらを欠いたまま解雇を行うと、解雇無効と判断されるリスクが高くなります。
まとめ|段階的・冷静な対応が会社を守る
能力不足の従業員への対応は、感情的にならず、「指導 → 配置転換 →退職勧奨→ 解雇検討」という段階的な対応が不可欠です。
適切なプロセスを踏むことで、会社と従業員双方にとって納得感のある解決につながります。

