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懲戒処分とは?種類や手続きの流れ、留意点を社労士が解説!

はじめに
会社経営において、「従業員の問題行動にどのように対応するか」は、労務管理上の重要な課題です。
適切に対処しなければ、逆に会社がトラブルに巻き込まれる恐れもあります。
本記事では、足立区の社労士 大越事務所の大越が懲戒処分の基本から実務での留意点まで解説します。
懲戒処分とは?
従業員が会社の秩序を乱す行為をした場合、会社が制裁を行うことを「懲戒処分」といいます。
労働契約法15条により、懲戒処分は「客観的合理性」と「社会通念上の相当性」が求められ、
不当な懲戒は無効となります。
懲戒処分の種類と具体例
就業規則で定められる代表的な懲戒処分と具体例は次のとおりです。
懲戒解雇は、失業給付の制限・退職金不支給などの影響が大きいため、特に慎重な判断が必要です。
| 種類 | 内容 | 具体例 |
|---|---|---|
| けん責 | 文書・口頭にて注意し 将来を戒める |
勤怠不良(遅刻常態化)など |
| 減給 | 賃金を一定期間減額 | 職務怠慢、 故意に損害を与えた場合 |
| 出勤停止 | 一定期間の就労禁止 | 重大な命令違反、職場トラブル |
| 降格 | 役職や等級を引き下げる | 不正行為、 管理職としての不適格性 |
| 諭旨解雇 | 自主退職を促す解雇予告付き懲戒 | 横領、不正経理など重大行為 |
| 懲戒解雇 | 最も重い処分。 退職金不支給なども |
犯罪行為、 背任・重大コンプライアンス違反 |
懲戒処分の手順
懲戒処分を行う際は、次の手順を踏むことが推奨されます。
①事実確認・証拠集め
関係者からのヒアリング、証拠収集
②弁明の機会を付与
本人から話を聞く
③処分内容の検討
懲戒委員会等で審議
④処分決定と通知
文書で通知する
⑤記録を保管・再発防止
後の労使紛争に備え保存
この手順を踏まない場合、
✔ 不当懲戒として無効
✔ 損害賠償請求リスク
が生じるリスクがあります。
懲戒処分における主な留意点
懲戒処分を検討する場合の主な留意点は、以下のとおりです。
✔ 就業規則に明記が必要
就業規則に懲戒処分の規定がなければ処分できない。
✔ 処分の均衡性
同じ行為に対し、過去と著しく異なる処分を行うことは無効となり得る。
✔ 処分の相当性(重すぎない)
軽微な行為に対し、懲戒解雇は原則不当。
✔ 迅速性
不正行為を長期間放置してから処分は無効となる可能性がある。
実務でトラブルが多いケース
SNSトラブル・情報漏洩・ハラスメント行為は近年増加しており、規定整備が追いついていない会社が目立ちます。
| よくある事例 | リスク |
|---|---|
| 感情的な処分、上司の独断 | 無効、ハラスメント認定 |
| 証拠不十分 | 労働審判で敗訴リスク大 |
| 手順省略(弁明無しなど) | 手続違反で無効 |
| 「懲戒解雇」の乱用 | 会社側の損害拡大 |
まとめ
懲戒処分は、会社の秩序を守り、従業員のモラル向上に繋がるなど会社の利益を守る有効な手段です。
一方で、就業規則への懲戒処分の規定明記や、前述のような適切な対応が必要となります。

